直島

護王神社境内

地中美術館に行った。家族で。
ものすごく贅沢な空間と展示。逃げ一つないコンクリート直付けの建具や、変態的なコンクリートワークはもう圧巻。こんな離島でよく打てたもんだ。3人のアーティストのための部屋のなかでは、ザ・モネって感じの「睡蓮」だけのための部屋は特に感動的。部屋全体がモネの色になっていた。ただ、駐車場から始まってすごくもったいぶった運営方針のせいで感動は半減。建築は美術作品になったらだめだと思った。現代美術館(アートサイト)との運営母体が違っていて情報の共有ができていなかったりと、来島者から見れば同じ施設なんだからちゃんとして欲しい。展示で言えば特にタレル部分の運営方法は再考したほうがいいと思う。


その後に訪れた護王神社のリノベーションは地中美術館でのいやらしさがなくなっていてすがすがしい場所だった。ウバメガシの硬質で乾いた木漏れ日のトンネルを抜けた先に白い玉石にかこまれた社殿が現れる。白っぽい花崗岩の岩盤とプロジェクトの製作過程で切り開かれたウバメガシの茂みの向こうに群青色の海が見える。それらと神社を護っているようなたぶん地元のおじいさんの存在も含めて、直島も含めた環境の全体を知覚できる幸せなプロジェクトだった。他の家プロジェクトがどれも内部で閉じていて直島でやる必然性をあまり感じられない内容だったけれど、この神社のような真にサイトスペシフィックだといえるようなプロジェクトならもう一度訪れたい。


お昼はキャンプ場のレストランで直島カレーを食べた。インゲンなど地元の普通の野菜が入っていてシンプルなおいしさ。