農業とランドスケープ

366日空の旅―かけがえのない地球

カナリア諸島ランサローテ島のブドウ栽培の手法が面白い。
http://www.lanzarote-tour.com/editorial/agricultura/agricultura.php

水源がない砂漠性の気候において作物を育てるために、粘土層の上を肥沃な土壌が覆っている土地の特性を利用して集水と保水のための逆円錐形の穴をつくり、その穴のくぼみそのものと、穴の縁につくられる半円形の低い石垣によって、底に植えられるぶどうの木を砂漠から吹く乾いた風から守るという仕組みになっているそうだ。
ひとつひとつの穴のデザインが集水、保水、防風のために有機的に機能している姿は、ランドスケープを計画する上で今考えていることに非常に近くて参考になった。
土地の条件を人為的に変化させ目的とする植物に最適な環境を作り上げていくことが、そのまま土地の形質を変化させ、意図する植物が生育するランドスケープをつくり上げる農業の手法は、ランドスケープデザイン考える上で、単なる植物の管理や土壌改良の技術としてではなく、その技術が作り出すトータルな景観としてもっと意識的に参照されても良いのではと思う。
それにしても、ここまでしてぶどう(ワイン)をつくろうとする西洋人の思い入れはすごい。