(続)阪急梅田駅

「梅田駅コンコースを残したい」という署名サイトができてます。
うれしいことに、壁画は残されることになったようです。
ただ、壁画のように物として価値がありわかりやすいものだけがのこされて、その壁画と一体となっていた空間そのものの価値へは目を向けられることがあまりないことはやはり残念です。壁画は、あの空間の質をつくり出していたもののなかでも重要な部分を占めていたことに違いないとはいえ、壁画が残ったところで何が残されるのかを考えたとき、あの少し薄暗くきらびやかな艶のある長大な空間や全体のシークエンスといくつもの時代を表現しているデティールを考えたとき、本当に本質的なものとはいえるのかどうか。たとえばミラノのガレリアやニューヨークのグランドセントラルの床の一部や壁面の装飾を残して同じような大空間を持つものに建替える場合を想像してみたら、それはやっぱりおかしいんじゃないかと疑問に思うはず。阪急のあのコンコースはそれくらい価値はあるものだといえます。ぼくたちは未来のガレリアを壊そうとしているんだと言ってしまってもいい。それだけのことを今やろうとしているんだから、阪急電鉄からきっちりと示してほしい。そのへんが、関西の文化を育て支えてきた企業として最低限やっておくべきこととして、まだ残されてると思う。

それから、こういう手間のかかることを軽々とはじめられる方々の行動力とバイタリティーに期待を込めて、応援したいと思います。