鍵をなくした。
その日は、いつもとすこし違うメンバーで、いつもよりすこし饒舌になり、いつもとすこし違う場所で、いつもとすこし違うルートで帰った。
そして、その次の日からだいたい一週間、誰かが帰ってこないかと外で時間をつぶしたり、出かけようとしたら誰もいないことに気がついて部屋の中でただすごしたりと、鍵のない不自由さをすこしだけ味わって妙に鍵に詳しなたばこ屋で合鍵をふたつ作った。