文字のカタチ

salt → salte → solte → solt → salt
塩    −    −    −
−    −    放つ   −


この過程で出来た salte  solt のような無意味な文字列は、
本来の意味の痕跡は残っているけど、まったく意味をもっていない。
これが例えば slat になってしまうと、もとの言葉とのつながりを感じることはむつかしい。
もともとの単語からの距離が遠くなってしまい、ある時点で別の単語の領域に入っていってしまうからだ。


文字にカタチがあるとすれば、
solte は、salt という単語のカタチをわずかに変えていきできたカタチが、
まったく別の言語の別の意味をもった単語のカタチと偶然一致する瞬間があって、
その位置が、変化させる前の意味(音)の痕跡をわずかに残す程度に変化した場所だったといえる。


ポルトガル人にとってはそのものの意味でしかないけど、
ポルトガル語の形式の上にいない僕にとっては、眺める角度によっていくつもの見え方が現れてくる。
そういった在り方が、なんかいい。