神戸タワー

神戸タワーロンドンへ行く

ロンドンに計画中のタワー (@The Guardian)
http://www.guardian.co.uk/uk_news/story/0,3604,1242573,00.html


高さ300mで、設計は元フォスター事務所の Ken Shuttleworthという人。
フォスター事務所で、同じロンドンのSwiss Re ビル (the Gherkin、180m,2003)の設計にも関わったていたらしい。


「ガーキンの頂部が象徴的なスペースでしかないのに対して、頂部を膨らますことで(腰部をくびらせて)価値を上げた」という説明があるけど、神戸タワー(108m,1963)に見えてしまう。しかも色まで同じ赤というのは出来すぎ。


曲線で出来ているガーキンに対して、直線を移動させて曲面を実現しようと考えるとこういう形は結構古典的。でも、内部にちゃんと用途が詰まった超高層に使えるようになったことに現代を感じる。


(追記)
アサヒコムに汐留の再開発ビル群がヒートアイランドを助長しているという記事。
http://www.asahi.com/national/update/0622/020.html
(これは、環状2号線に絡む再開発のための布石ともとれなくはない)


ガーキンでもフォスターが形態のコンセプトを視線と風から説明していたが、そういう点から見ても、超高層の形態としてこうしたフォルムを採用することへの説得力を高めている。


実際、太陽電池光ファイバーのようなギミックに頼らずに、日射や風のような自然環境の利用を追究している建築って美しい未来的なフォルムに説得力がある。それは、周囲の環境に対応する中で獲得してきた自然そのものの美しさと共通の質だろう。


自然の場合も含めて、想定するパラメーターが少ない場合は美しくなる傾向があり(例:水流とイルカ、太陽とロンドン市庁舎)、パラメーターが増加し対応すべき環境条件が増加するにつれて、結果として出てくる形態は一般的な意味で美しいと思えないものになる場合が多くなっていく印象がある(例:水圧と闇と深海魚、増改築を経て錯綜した建物)。OMAはそういったパラメーターの多い状態に美しさを発見したともいえるし、最近塚本さんが堀出した「有機的」というキーワードは、そこからもう一歩進んでOMA的なコンフリクトのない状態を目指し始めていると感じた。


僕自身の現実の中では、風を考えて住宅やビルの形をデザインし、夏の蒸し暑さや冬のビル風なんかを緩和させることに対して意欲的になってはいても、そこにコストをかけるだけのコンセンサスが得られるようなるにはもう少し時間がかかりそうだ。


神戸ポートタワー(@建築マップ)
http://fcoms.com/yana02/amap/pt/pt.html
Swiss Reビル(@RIBA)
http://www.architecture.com/go/Architecture/Also/Awards_3249.html