料理のデザイン

新宿のアカシアのシチューを見ていて営団地下鉄のサインを思い出した。
どちらも同じ質をもっているような気がして、調べてみると、
アカシアは1963年の創業で、営団のサインは1972年から検討が始まっている。
ちょうど日本の高度経済成長期に重なる。


この店の紹介で必ずでてくるロールキャベツは、真白で飴のような光沢をもったあまり見たことのない質感のシチューに浸されているんだけど、ロールキャベツはカフカス地方(ロシア南方部グルジアアルメニアアゼルバイジャンのあたり)の伝統料理をアレンジしたものらしく、
起源を聞いて、中国東北部の料理である餃子やモンゴル料理の単色で中央ユーラシア的質素な雰囲気との共通点もありそうに思えた。
http://furari.fromc.com/column1a/rollkya.html
http://village.infoweb.ne.jp/~fwjg6230/sovcook.htm


いま日本で主流になっている料理が、多彩で色彩豊かな地中海系ヨーロッパの料理の影響を受けているとしたら、高度経済成長期はそういった享楽的なものではなくドイツやロシア的な質実なものにシンパシーを感じていたんだろうか。


料理っていうのは自然から取れたものを使うって言う意味で、ものすごくダイレクトにその土地の環境を映し出す。


(つづく)