中と外のズレ

外壁サッシの割り付けと室内側の小部屋の部屋割りとは完全に一致することは、がらんどうのオフィスでない以上むつかしく、どうしてもサッシと部屋の間仕切りがクランクして取り付く部分が発生してしまう。

そんなことをやっていて、必要な場所に必要な大きさの開口部をあけ、今風のランダムな開口部を作成してみるも、お堅い施設の性格にふさわしくないという至極妥当な理由でもって上司にあっさりと却下されて以降は、整然と割り付けられた外壁パターンに真剣に向き合ってみる。

が、今回のように全体面積と各室面積が予算上決められていて、面積のズレがそれぞれ10%という要求があるがために、サッシに合わせようと無数にある数平米の小部屋を大きくしたりプロポーションを変えたりすることも難しく、とはいうものの、そうなってしまうのが気持ち悪くて何とかしてそろえようと思案するもどこかで破綻する。

全く気にしないであっさりとクランクさせてしまう上司の「アアルトもやってるよ」に、確かにそうなんだろうけど、でもやっぱりなんとかしたいんです。

なんとかならないかと、今回のように整然とした外部と複雑な内部が矛盾しない、外壁と室内との間にクランクするためのスペースを始めから持ち併せているような形式がありえるかと考えているうちにだんだん面白くなってきたので久しぶりに書きました。そもそも揃えることを前提としない余剰の部分が剰余のまま何か別の形式を生み出してくれれば成功。整っているけどズレている建築。

もちろん、今回はひたすら揃えるのみ。